
【構造の形式による分類】
建物の構造の形式は大きく軸組構造と壁構造の2通りに分類されます。
●軸組構造は柱・梁が構造の主体となっており、鉄骨造や鉄務コンクリート造等では、接合部を強直に接合した
(剛接合という)ラーメン構造となります。木造の場合は、完全な剛接合が困難なため、筋かいや構造用合板等を
用いた耐カ壁と一体になった構造形式をとってます
木造軸組工法(在来工法)は古くからある日本の木造工法を基礎に いる工法で、地域の気候・風土にあった特徴を
兼ね備え、在来工法とも呼ばれています しかし、伝統工法をそのまま再現しているわけではなく、接合部に金物
等を用いるなど様々な改良がなされています。
鉄筋コンクリート造の布基礎の上に木材の土台を配し、土台の上に柱を建て、柱に梁等の横架材を組み合わせて
軸組とし、これに壁、床、屋根等を付加して全体を構成します。
このうち柱・梁は主要な構造部材となりますが、地震や風による水平力に対しては筋かいや構造用合板等
による耐カ壁によるところが大きく、このため、耐カ壁の種類、量、位置等を平面計画において十分に考慮
することが重要となってきます。
木材は重量の割に強度があり、加工し易いという特徴がありますが、その反面、燃える、腐る、歪む等の
短所も併せもっています。
これらの欠点をうまく抑えて建物全体を構成することが、設計者・施工者に求められることとなります。
また、在来工法は、低廉なものから非常に高級なものまでその仕様や仕上げ等により幅がありますが、
最近は共通仕様書の普及や施工方法の合理化等により質も高くなってきています。
一般に木造と呼ばれる場合には、この工法を指すことがほとんどです。
●組壁工法(ツーバイフォー( 2 x 4 )工法)
北アメリカで発達した木造住宅の工法で、基本となる木材の断面寸法が2インインチであることから一般
にこう呼ばれています。
木材で組まれた枠組みに構板を釘打ちし、このパネルを耐カ壁として用いることから枠組壁工法ともいい
わが国では昭和49年に建築基準法に基づく技術基準が告示され、一般工法としられました 注1ノンチ= 2. 54cm
工法は床板と耐カ壁によって建物全体を一体化し、一種の箱を組み立てることこしていまナのて 一般的には
耐震性に優れていますが、床や壁に大きな開口ける場合には補強をする必要がある等一定の制約を受けます。
施工面では次のような特徴が挙げられます。
構造部材の組み立てはすべて釘や金物によって接合し、複雑な加工が不要。
床組を設けてから壁を施工するため作業がしやすい熟練した技術を必要としない工期が比較的短い
【構造・工法選びのポイント】
近年の住宅の構造・工法は、非常に多様化しています。その代表的なものに木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造、
鉄骨鉄筋コンクリート造、工業化工法(プレハブエ法)、枠組壁工法(ツーバイフォーエ法)、その他にも丸太組工法
(ログハウス)等があります。
また、伝統的な木造住宅でさえ、その外観や室内を洋風化したものもあり、外国から導入されたツーバイフォー
エ法に純日本間が登場する等、建主の要望に応えられるよう多種多様のものが用意されています。
住宅メーカーや工務店の多くはそれぞれ専門とする、あるいは得意とする構造・エ法を中心に住宅の建設や商品
開発を行っています。
【建材・設備機器選びのポイント】
住宅の材料、いわゆる建材も多種多様となっています。ありとあらゆる材料から構成される住宅は、間取り、
構造、設備やインテリア等すべての調和がとれてこそ住みやすく、安全で、耐久性にも優れたものができ
あがります。
建材には自然の猛威に耐え、衝撃や火災に強く、断熱や遮音に有効といった物理特性が要求されます。
さらに建材は、形態、色彩とともに造形美を左右する住宅の外観、インテリアのテクスチエア(材質感)と密接
に関わり、住まい手の好みや人柄を反映する重要な要素となります。
経済的で、快適な生活を実現するためには、設備面の検討も重要です。生活する上で欠かせない給排水、電気、
ガスをはじめとし、冷暖房、ホームセキュリティーやホームオートメーションといった設備の導入も考慮する
ことが必要です。